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西日本シティ銀行本店 迫る解体 設計は磯崎新さん 福岡の建築家ら意義語り合う<上>【コラム】

2020/04/25 LINE はてなブックマーク facebook Twitter

 博多駅前のシンボルとして長年親しまれてきた西日本シティ銀行本店(福岡市博多区)の解体が6月から始まる予定だ。建築界のノーベル賞といわれる米プリツカー賞も受賞した建築家・磯崎新さん(88)=大分市出身=が設計し、存在感のある赤茶色と壁のような独特の外観で博多の街を彩ってきた。福岡市で3月、地元建築家など約10人が集まり、世界的建築家の初期代表作の重要性を語り合った。

磯崎新さん

 学生時代に磯崎さんのアトリエでアルバイトしていた鮎川透さん(69)は、本店設計時に50分の1の模型を制作。工事費が不足したため、四島司さん(後の福岡シティ銀行頭取)に見せて4億円程度上積みしてもらうためだった。磯崎さんは模型を前に15分ほど説明し、資金増を受け入れてもらったという。

スクリーンに西日本シティ銀行本店の写真を映し、磯崎建築の意義を語り合う参加者たち

 西シ銀本店がオープンした1971年には、村野藤吾による福岡ひびき信用金庫本店(北九州市)も落成。75年には黒川紀章が手掛けた福岡銀行本店(福岡市)も完成するなど、著名建築家が銀行本店を相次いで設計した。鮎川さんは「銀行本店の役割が様変わりし、巨額の建築費をかけるようになった時代だった」と振り返った。

インド砂岩の赤茶色が印象的な西日本シティ銀行本店。
右側の白いストライプがあるのが増築部分=福岡市博多区

 環境デザイナーの佐藤俊郎さん(67)は「(西シ銀本店は)第1回福岡市都市景観賞を受けているのに、壊されてしまうのは残念」と訴え、「個人の財産だから何も言えないというのはおかしな話で、日本に景観が根付かない根本的な理由だ」と指摘した。鮎川さんも「建築の価値が社会に認識されていない。残そうという共通認識を育てなければならない」と呼びかけた。(藤原賢吾)=4月21日付西日本新聞朝刊に掲載=


▼西日本シティ銀行本店ビル 1971年12月に旧福岡相互銀行の本店として開業。敷地面積約5200平方㍍、地上12階、地下2階建て、延べ床面積約2万6千平方㍍。現在は西日本シティ銀行本店営業部やグループの証券会社などが入居し、ビル内には野見山暁治さんや高松次郎、ジャスパー・ジョーンズ、ヘンリー・ムーアなどの美術作品約200点が収蔵されている。

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