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絵も音楽も、自分自身ポップなんだ 9月、福岡市で個展 藤井 フミヤさん/エンタメMAX

2021/09/17 LINE はてなブックマーク facebook Twitter

 デジタルとアナログの世界を自在に行き来するアート活動「FUMIYART」(フミヤート)を続ける藤井フミヤさん。現時点での集大成となる個展を、9月4日~10月31日に福岡市博多区の福岡アジア美術館で開きます。初期のコンピューターグラフィックスから近年のペン画や水彩、アクリル画まで、多彩に変貌を続ける創作について聞きました。

作品「EYES in Red」(写真左)と
「ボッティチェリへのオマージュ「Venus and Mars」の模写」
を前に語る藤井フミヤさん(撮影・冨永豊)

-デジタルアートを探求しながら、近作は手描きのアナログ感が高まっています。今回の構成は。
★フミヤ 手持ちの札は全部出し、アート活動のほぼ全貌を見てもらえます。今は下書きをデジタルで、その後は手描きにすることが増えました。

-作品では金色を効果的に使っていますね。
★フミヤ クリムトの影響も受けつつ、狩野派の金色の影響は大きい。あの金色の使い方はもはや現代アートだと思います。

-モチーフは現代アート風のものから宗教画の模写まで多岐にわたりますね。
★フミヤ 国内外の美術館を巡ってきましたが、日本人の独特さとして、自分が「マジンガーZ」や「新造人間キャシャーン」などロボットアニメで育った背景があります。バラバラに解体したり合体したりする絵を描く癖もそのせい。宗教画もSF的で面白いと思う。大体みんな空を飛んでるしね。仏教でも雲の上にいたり、手が何十本もあったりね。

-16年ほどアート活動を休止した時期がありましたね。
★フミヤ ある時、俺って何者だろう、手を広げ過ぎているんじゃないか、基本である音楽が手薄になっているんじゃないかと、いったん音楽以外全部やめることにしたんです。

-5年前にアート活動に再びスイッチが入ったのは。
★フミヤ コンサートの物販でカレンダーの原画を描いてみたら面白くて、個展でもやろうかと。お尻に火が付くとバンバン描きました。

-今回の出品作のうち、ボッティチェリの作品の模写はボールペンで描いていますね。
★フミヤ 日本の文房具は面白くて質が高い。使っているボールペンの色数自体は少なくて、線の密度などで表現しています。

-昨年の作品「龍王」の絵は深海の世界を描いていますね。
★フミヤ 龍王は男女どちらにも見えるように描きました。そこに寄り添う深海生物は実際もかなり派手で、蛍光カラーだったり発光していたり。昨年の作品でコロナ禍の収束を願って、裏に「疫病退散祈願」と書きました。
 

「龍王」(2020年、水彩、©FFM2021)

-最新作「EYES in Red」は目が強調されています。
★フミヤ 今はみんなマスクで目しか見えない。いろんな目を見たけどトルコやアラブ圏の目は宝石みたい。紫や緑、金色に近い人もいて、あんな目で見つめられたら吸い込まれるよね。

-アートと音楽で共通するところはありますか。
★フミヤ 本来なら誰が見てもこの絵は藤井フミヤと分かるオリジナリティーを出さないといけないけど、ひとつのことに飽きたら違う方向に行ってしまう。歌もポップス出身だからありとあらゆる歌を歌う。そういう性格なんだろうね、全体的にポップなんだよ。藤井フミヤ自体が。生きて描いていれば、いずれそれなりのオリジナリティーは出てくると思う。

-では絵と音楽の違いは。
★フミヤ 音楽はすべて愛であふれていないといけない。絵はもっとわがままに自由になれるけど、作品はどちらかというと未来を向いている。根本的にひとりが好きだけど、やっぱり誰かとつながっていたいんだね。

-来年は還暦ですね。
★フミヤ 何より精神年齢が大事で、歌声が出るのも求められるからそこに到達しなきゃいけないという気持ち。今ミュージシャンたちが念頭に置いているのはポール・マッカートニーとミック・ジャガー。この2人がやめない限りは誰もやめられないね。

(文・平原奈央子、写真・冨永豊)


=(8月28日付西日本新聞朝刊に掲載)=
 

▼ふじい・ふみや
1962年7月11日生まれ、福岡県久留米市出身。83年に「チェッカーズ」のボーカルとしてデビュー。93年にソロデビューし、アート活動「FUMIYART」を始動。国内外で個展を開催し、2005年に愛知県の「愛・地球博」でパビリオンをプロデュース。近年では19年に大阪などで個展を開催した。

▼「デジタルとアナログで創造する藤井フミヤ展多様な想像新世界 The Diversity」
9月4日~10月31日、福岡市博多区の福岡アジア美術館。大人1300円、高大生900円、小中生600円。問い合わせ先は福岡会場事務局(東映)=092(532)1081。

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