明治150年記念 特別展
オークラコレクション
-古今の美を収集した、大倉父子の夢-
2018/10/02(火) 〜 2018/12/09(日)
09:30 〜 17:00
九州国立博物館
2018/11/22 |
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開催中の「オークラコレクション」の隠れたエピソードを九州国立博物館の主任研究員、山下善也さんに聞く全3回の連載です。
かつて天皇らを警護するSPは「随身(ずいじん)」と呼ばれ、屈強さだけでなく、容姿端麗であることが求められた。そんなイケメン9人を描いたこの作品は、いわば鎌倉時代の「男性アイドル写真集」。ところが、よく見ると、太った出っ歯の男や、細いつり目の痩せこけた男もいるではないか。正直「どこがイケメンなの?」と突っ込みたくなる。
作者は画家の藤原信実(のぶざね)。父親の隆信と並んで「似顔絵」の名手と称賛された。九州国立博物館の主任研究員、山下善也さんによると、中国から当時伝わった写実的な技法を使って、顔や体形を細かく描き分けている点が特徴。その巧みな筆は、人物の性格までも浮き彫りにしたという。
「貴族たちは信実に描かれるのを嫌ったという話が文献に残っているんですよ」。山下さんの解説を聞きながら、信実の鋭い観察眼にびくびくする貴族たちを想像した。信実は周囲にちやほやされる彼らを決して美化せず、むしろ小さな“弱点”をわざと誇張して描いたのかもしれない。
たくましい美男子エリート集団への痛烈な風刺。現代の非エリート中年男としては、思わずにやりとしてしまった。=11月13日 西日本新聞朝刊に掲載=
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