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ゴッホの魅力を語る 作家の原田マハさんが講演 福岡市美術館 展示作品の紹介交え

2022/02/09 LINE はてなブックマーク facebook Twitter
ゴッホ作「夜のプロヴァンスの田舎道」(1890年)

 福岡市美術館で開催中の「ゴッホ展」に合わせ、オランダの画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~90)にちなんだ小説で知られる作家の原田マハさんが同館で講演した。展示作品の紹介を交えて傑作が生まれた背景を解説し、「自分だけの表現を求めて挑戦する精神は、今も世界中の人に刺激を与えている」とたたえた。

 美術研究家の原田さんは美術をテーマにした著作が多く、ゴッホの死の謎に迫る小説・戯曲「リボルバー」などゴッホ関連作も複数ある。原田さんは、27歳で画家を志し37歳で亡くなったゴッホの創作期間が10年間しかなく、晩年4年間に代表作が集中していると指摘。画家のゴーギャンと共同生活を送った南フランスでの62日間が「ゴッホの作風を変えた」として、2人が住んだ家をモデルにしたゴッホの「黄色い家(通り)」での日々を紹介した。

 2人は日本の浮世絵の研究など新たな作風を求めて修練。モデルを用いる現実的な描写を好んだゴッホに対してゴーギャンが空想画を勧め、ゴッホはゴーギャンと決別後に空想画を描き始めたという。

 最晩年の「夜のプロヴァンスの田舎道」は自由に描いた空想画の傾向が強く、原田さんは「自分はここにいるというゴッホの叫びであり、まったく新しいタイプの作品になった」と強調。ゴーギャンの影響がゴッホの才能を花開かせたことを解き明かした。

 「ゴッホ展」は13日まで(月曜休館)。一般2千円など。西日本新聞イベントサービス=092(711)5491(平日午前9時半~午後5時半)。
(川口安子)

=(2月5日付西日本新聞朝刊に掲載)=

■「ゴッホ展──​響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」のチケットのご購入は
コチラから。

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