江口寿史展
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福岡アジア美術館
2018/12/17 |
福岡市中央区大濠公園の市美術館の改修工事が終わり、来年3月の記念特別展に向けた準備が進む。市美術館は内外から観光客が訪れ、市民の憩いの場でもある大濠公園にある。「地の利」を生かし、より親しまれる美術館にという狙いは分かりやすい。「つなぐ、ひろがる美術館」を掲げた今回のリニューアルには、どんな工夫があるのか。報道関係者向け内覧会で魅力を探った。
(大西直人)
外観で最大の変化は、ジョギングをするランナーや観光客が行き交う公園の周回道路から直接1階に出入りできる新エントランスの設置だ。美術館と周回道路の間に立ちはだかっていた垣根などを撤去し、公園との一体化を図った。
従来は公園南側の道路ともつながる「南口」、「エスプラナード」と呼ばれる緩やかな階段を通って2階に入る「北口」だけ。周回道路を通行する多くの人たちを放っておく手はないということだろう。
新エントランスに隣接してカフェも設けた。好天時には屋外にも席を設ける。2階のレストランを含め公園池の眺めは絶景ポジション。展示室は午後5時半に閉まるが、カフェは同7時まで、レストランは同8時半まで営業する。メニューと味に期待が膨らむ。
美術館なのに、気になるのは飲食ばかり? いえいえ、内装も大きく変わった。全館照明を色調が変えられる発光ダイオード(LED)化するとともに、展示ケースに高透過ガラスを採用したことで、美術品が細部までくっきり見やすくなったという。
展示室ごとに壁や床、天井の色調も統一。美術館は「国内最高水準の展示環境を実現」と胸を張る。実際の展示が楽しみだ。工事中に館外で保管されていた美術品の再搬入も始まった。
美術館らしからぬ「遊び心」で意表を突くのは、古美術コレクション展示のうち、同市博多区吉塚の旧東光院が寄贈した仏像を置く「東光院仏教美術室」だ。山門をイメージした造りで、寺院内の雰囲気を演出した。入り口には「金剛力士像」を置く予定で、迫力満点かな。
市民の探求心や「絵心」もくすぐる。アートスタジオはイーゼルなどを完備し、各種教室ができる。音響設備や照明を更新したミュージアムホールの催しは、美術限定から「文化・芸術・学術」に拡大した。
一般向け貸展示室のギャラリーは4室から6室に増やし、市民の発表意欲に応える態勢を強化した。キッズスペースには乳児連れでも気軽に来てもらえるよう授乳室を完備している。
中山喜一朗副館長は「内外の観光客も含めて、より多くの人に来てほしい。そのためには何でも取り組む」と意欲満々だ。趣味や関心の多様化に合わせ、改修には「気配り」や「挑戦」がちりばめられている。=12月11日 西日本新聞朝刊に掲載=
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