九州、山口エリアの展覧会情報&
アートカルチャーWEBマガジン

ARTNE ›  FEATURE ›  連載記事 ›  西方に極楽あり 1 地獄の講演会【連載】

西方に極楽あり 1 地獄の講演会【連載】

Thumb micro 2cf83d8d0a
末吉武史
2018/09/05
LINE はてなブックマーク facebook Twitter

9月15日(土)より、福岡市博物館にて特別展「浄土九州ー九州の浄土教美術ー」が開催されます。本展担当の福岡市博物館 主任学芸員 末吉武史氏による連載がはじまります。(ARTNEでの連載は週3回程度の予定)。連載は、福岡市博物館ブログで連載中で末吉主任学芸員が過去の記憶を自ら編集しつつ、活動を通じて考えてきたことや美術と地域の関係をつづります。(編集部)

地獄の講演会

5月19日(土)、福岡ミュージアムウィークの講演会がありました。
特別展「浄土九州-九州の浄土教美術-」のプレイベントということで、講師に龍谷大学龍谷ミュージアム教授の石川知彦さんをお招きしました。

今回のお題は何かというと・・・ズバリ「地獄」です。
地獄というと、いかつい閻魔さまがいて、鬼(獄卒)がいて、針の山があって、血の池があって・・・、というおどろおどろしいイメージが頭をよぎります。

できればそんなところには行きたくないといのが人情というもの。

しかし、仏教絵画が専門の石川さんによれば、地獄にはいろんな個性的なキャラクターがいて、それぞれ働きがきまっているなど(見ている分には)ワンダーランドなのだそうです。

例えば閻魔さまの裁きも、亡者の生前のおこないを不思議なアイテム(浄玻璃鏡など)を使って慎重におこなわれ、場合によっては現代の裁判のように再審請求制度もあるとか。
地獄というのはなかなかシステマティックで役所っぽいと思ったのは私だけでしょうか。

ところで、浄土九州展は9月15日から11月4日まで開催します。

展覧会が終わるまで担当学芸員は図録編集や作品の集荷・返却、会場設営、イベントといった自らの業(ごう)が招いた「地獄」に落ちてもがき苦しむことになります。

しかし、それでもなお懲りないところが学芸員の罪深いところ。

これから浄土九州展の話題をご提供していきます。
乞う、ご期待!

=2018年5月23日福岡市博物館ブログに掲載=

おすすめイベント

RECOMMENDED EVENT
Thumb mini e794a50fea

北九州市立美術館 開館50周年記念
「足立美術館所蔵 横山大観展」スライドトーク

2024/04/13(土) 〜 2024/05/02(木)
北九州市立美術館 本館

Thumb mini b156a79869

収蔵作品展
センス・オブ・ワンダー

2024/03/12(火) 〜 2024/05/06(月)
都城市立美術館

Thumb mini 5ac71fa77e

春の特別展「カラーズ ~自然の色のふしぎ展~」

2024/03/16(土) 〜 2024/05/06(月)
北九州市立いのちのたび博物館

Thumb mini d9d6db5602

特別企画展
オードリー・ヘプバーン 写真展

2024/03/20(水) 〜 2024/05/06(月)
鹿児島市立美術館

Thumb mini fb2248f7fb

かみよりつぐかたち -紙縒継像-
新聞紙から生まれる動物たち

2024/03/23(土) 〜 2024/05/06(月)
みやざきアートセンター

他の展覧会・イベントを見る

おすすめ記事

RECOMMENDED ARTICLE
Thumb mini 86df2d5b57
ニュース

笑い飯哲夫のおもしろ仏教講座 福岡市博物館で開催決定!

Thumb mini 5df594b110
レポート

天か地獄か、死者は10人の王に裁かれる -エンマと地蔵菩薩-【レポート】

Thumb mini e39068e903
レポート

仏教の見方が変わる!笑い飯哲夫さんの仏教講座で大爆笑!【レポート】

Thumb mini 88d103a641
レポート

仏教に詳しくない私が、「浄土九州」に行ってきた!【レポート】

Noimage
連載記事

遮られる世界 パンデミックとアート 椹木野衣<84> 【連載】開かれる世界 異常事態の渦中で 取り戻される日常

特集記事をもっと見る