NTT西日本スペシャル
おうちで絵本ミュージアム
2020/08/14(金) 〜 2021/03/31(水)
秋吉真由美 2020/12/28 |
新型コロナウイルスの影響で、美術館や博物館が長期の臨時休館を経験し、展覧会やイベントが次々と中止や延期となった2020年。人気の展覧会の行列は当たり前、お目当ての作品の前では場所を譲り合いながら、音声ガイドのイヤホンを付けて…という日常は当たり前ではない。そう強く思わされた1年でした。
まだまだ猛威を振るう新型コロナウイルス。美術館や博物館の入口では、サーモカメラや消毒液が設置され、入館時の検温や手指消毒、マスク着用が当たり前の光景となっています。
各館が工夫を凝らしたSTAY HOME×アート
4月~5月のSTAY HOME期間中、各館では工夫を凝らした“おうちで楽しめるアート”の情報発信を活発に展開。福岡アジア美術館は、過去に開いたコレクション展で制作した「アジアの神さまかるた」のデータを公開したり、宇城市不知火美術館では、アマビエを案内役にWEB上で開催が延期された展覧会を紹介したり。それぞれが所蔵する作品のぬり絵の公開やSNSでの情報発信を強化する施設も多く、話題を集めていました。
2007年から開催されてきた「NTT西日本スペシャル おいでよ!絵本ミュージアム」は、今年はオンライン開催にシフト。「NTT西日本スペシャル おうちで!絵本ミュージアム2020」として、オンラインならではのコンテンツを豊富にそろえ、今だからこそ楽しめる内容となっています(レポートはこちら)。
緊急事態宣言の解除に伴い、徐々に再開する施設も増えましたが、巡回展や国内外から作品がそろう大型の展覧会の開催は厳しく、中止となったものもありました。そのような状況下でも感染対策を徹底し、にぎわいを少しずつ取り戻した会場も増えています。
感染対策に奮闘、今だから実現した展覧会も
福岡市科学館で開催された企画展「ストリートファイター『俺より強いやつらの世界展』」は、会期中の緊急事態宣言により一度中断しましたが、感染防止のため、体験コーナーなどの内容を一部変更して7月1日に再開。
7月21日にオープンした新施設「BOSS E・ZO FUKUOKA(ボス イーゾ フクオカ)」内には、アート集団「チームラボ」が手がけるミュージアム「teamLab Forest(チームラボフォレスト)」がオープン。感染症対策を徹底し、来場者にソーシャルディスタンスを呼びかけながら、スタートしました。
福岡市博物館で開催された「PIXARのひみつ展 いのちを生みだすサイエンス」は、混雑緩和のため、来場の日時予約チケットを導入。検温や手指消毒はもちろん、触れて楽しむ作品が多いため、使い捨てのゴム手袋を配布。九州・山口のコロナ禍で開催された展覧会の中で唯一5万人以上となる、8万1,285人の来場者数を記録しました。
続いて、福岡市博物館で開かれた「福岡市博物館開館30周年記念展 ふくおかの名宝-城と人とまち-」は、実は予定していた企画を大幅に変更したもの。大規模な作品収集が困難な状況だからこそ、収蔵品に改めて着目。17万件以上という莫大な収蔵品の中から厳選した107件の“ふくおかの名宝”を展示しました。これだけの数の収蔵品が一堂に並ぶのは、とても貴重な機会となりました。
「準備を始めたときは、この世界の状況は想像もしていなかった」と担当者が話していた、福岡市美術館で開かれた特別展「藤田嗣治と彼が愛した布たち」、福岡アジア美術館で開かれた「アニメ化30周年記念企画 ちびまる子ちゃん展」など、会場は十分にぎわっていましたが、このウイルスがなかったら、もっともっと大盛況だったのだろうと思える展覧会が目白押しの一年だったように思います。
厳しい状況の中でも、アートの楽しさを伝えたい。学芸員や主催者のそんな必死な思いが手に取るように分かった2020年でした。
2021年も注目の展覧会が続々!
2021年も感染症対策を徹底しながら、注目の展覧会が予定されています。早速、1月26日からは九州国立博物館で特別展が復活。「奈良 中宮寺の国宝」が始まります。大分市美術館では、日本でもファンが多い「リサ・ラーソン展」が1月8日から、長崎県美術館では「隈研吾展」が1月22日から予定されており、九州・山口の各地で年明けから活発な動きを見せます。
そのほかにも、4月には福岡アジア美術館で「石田スイ展[東京喰種 ▶ JACKJEANNE]」、夏には福岡市美術館で「キングダム展 −信−」と話題の展覧会が続々と開幕予定です。
美術館や博物館へ一歩入ると、そこは創造力にあふれた非日常の世界。まだまだ、マスクが手放せない日々が続きそうですが、皆さんにとって一瞬だけでも日常を忘れられるアートにたくさん出会える2021年になりますように。
2024/11/09(土) 〜 2025/01/12(日)
福岡アジア美術館
2025/01/21(火) 〜 2025/05/11(日)
九州国立博物館
2024/10/31(木) 〜 2024/11/25(月)
大丸福岡天神店 本館8階催場
2024/09/07(土) 〜 2024/11/24(日)
つなぎ美術館
2024/10/26(土) 〜 2024/12/01(日)
九州芸文館