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「文化財を救え!」大実業家父子による偉大なコレクションを一挙公開。 【NEWS】

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アルトネ編集部
2018/07/24
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大実業家の大倉喜八郎・喜七郎親子が収集した日本美術を中心とする展覧会「明治150年記念 特別展 オークラコレクション 今古の美を収集した、大倉父子の夢」が2018年10月2日(火)~12月9日(日)、九州国立博物館(福岡県太宰府市)で開かれます。開幕に先立ち7月6日に行われた記者発表に、アルトネ編集部も潜入。展覧会の見どころやコレクションに秘められたエピソードなどを聞いてきました。

夜桜(左隻) 横山大観筆
昭和4年(1929)  東京・大倉集古館
展示期間 11月6日〜12月9日

●圧倒的な質の高さを誇るコレクション
大倉喜八郎がどのような人物か、ご存じでしょうか。貿易や建設など多彩な事業を展開した実業家で、明治維新後の廃仏毀釈(きしゃく)による仏教美術品の散逸や海外流出を嘆き、日本や東洋の古美術を収集した人です。さらに日本初の私立美術館「大倉集古館」(東京都港区)を創設しました。そこには約2500件もの美術・工芸品と約1000部の漢籍が収蔵されています。
 

大倉喜八郎(1837〜1928)


 その長男である喜七郎は、ホテルオークラの創業者として知られています。父・喜八郎の意思を継ぎ、横山大観など近代日本画家の作品を世界に紹介しました。

大倉喜七郎(1882〜1963)


 展覧会では、親子が収集した美術コレクションから、国宝3件を含む約110件を展示。平安時代から近代まで、圧倒的な質の高さを誇る美術品がずらりと並びます。
 

記者発表は「ホテルオークラ福岡」(福岡市博多区)で開かれました


 記者発表で、九州国立博物館の島谷弘幸館長は「大倉集古館が2020年に向けて改修中の今だからこそ、門外不出の名品も含めオークラコレクションをまとめて見られるまたとないチャンス」と強調。

九州国立博物館 島谷弘幸館長


 また2018年は明治維新から150年目であることから、「大倉親子のコレクションを通して、近代の幕開け以降の日本と海外の交流の歴史を捉える絶好の機会になるはず」ともアピールしました。〝眼でたどる日本美術史〟を体験できるチャンスになりそうです。

●心に染みる作品が続々登場
続いて、同館主任研究員の山下善也氏が展覧会の内容を詳しく解説してくれました。

主任研究員 山下善也氏


 会場は3章で構成。絵画・書跡・彫刻・各種工芸など粒ぞろいの美術品が並ぶ「日本美術の王道」に始まり、喜八郎がアジアで集めた東洋美術のコレクションを展示する「アジアに開いた眼」と続きます。さらに「日本から世界へ ―珠玉の近代絵画(ローマ日本美術展)」では、1930年にイタリアで開かれた「ローマ日本美術展」の一部を再現するような展示を行う予定とのことです。

「ローマ日本美術展は、日本美術の魅力を欧州の人々に問う野心的な試みでした」と山下氏は説明します。この展覧会の全ての経費を負担し、全面的に支援したのが、喜七郎でした。
本記事の初めに紹介した《夜桜》は、横山大観が日本画の面目を懸け、「ローマ日本美術展」のために描いた意欲作です。かがり火に照らされて輝く満開の桜は、静寂の中に幻想的な美しさがあり、欧州の人々に、遠く離れた東洋の島国「日本」を印象付けたに違いありません。

山下氏は「作品はどれも一点一点立ち止まって眺めたくなる、心に染みる秀作ばかり」と語ります。これだけのコレクションを築くことができたのは、大倉親子の莫大(ばくだい)な財力だけでなく、広範囲にわたる人間的な交流があったからこそでしょう。「高い美術的価値に加え、当時の社会情勢を反映した重要な歴史的意義を持った大倉コレクションを見に、ぜひ九州国立博物館へ足を運んでください」と、来場を呼び掛けています。

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