
第35回九州産業⼤学美術館所蔵品+展 「巴里、ルオー、ザッキン。」 + 「元倉眞琴 集まって住む」関連イベント
アート・トーク「建築がもたらす共同体と孤独」
2025/05/24(土)
九州産業大学15号館102教室
山出淳也 2021/04/13 |
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あなたの世界
「これからは地方の時代です!」
選挙のたびに掲げられる公約。身の回りがどのように変わったのか、実感が持てないのは僕だけだろうか。過疎化に歯止めをかけるため、自治体はあの手この手で「移住しよう」と、都会に生きる人々に投げかける。僕も若いアーティストに地方での活動の可能性を伝え続けてきた。「社会増が重要だ。人が増えれば需要が生まれ、豊かさは続くのだから」。そんな高度経済成長期以降からほとんど変わらない価値観に基づき、一つの地域の未来を考える。
昨年からオンラインでの会議が爆発的に増えた。要点を中心に確認し合うため、いつもよりも早く終わる。「あぁ、これでよかったんだ」と気がついた。しかしそれにも慣れ、ただなんとなく気軽に会議は増え続ける。今ではスケジュールのほとんどがオンラインの会議で埋め尽くされ、相変わらず僕は時間に追われている。
「新しい生活様式って何だろう」ってたまに考える。今までになかったさま、だと辞書には書いている。でも僕の生活は、過去の価値観に囚(とら)われたまま、スタイルだけが変化した。果たして、過去の価値って全てがそんなに素敵(すてき)だったっけ? 別のページを生きてもいいんじゃないか。誰かの価値を生きなくたっていいんじゃないか。
幸せって何だろう? あなたが本当に見たい世界ってどんな姿ですか?
経済効率とは無縁の世界を生きるアーティストは、時として常人には理解し難い行為に没頭する。彼らは誰にも頼まれず作品を作り始める。なぜか? それは作りたい、完成した姿を絶対に見たいという欲求が強いからだ。「こんなこと、よくできましたね」なんて言われもするが「違うよ。実現するまで諦めないからだ」って心の中で彼らはそう呟(つぶや)いている
ガンジーはこう言った。
「あなたがすることのほとんどは無意味だが、それでもしなくてはならない。なぜならそれは世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである」(やまいで・じゅんや=アーティスト、アートNPO代表。挿絵は鈴木ヒラクさん)
=(1月4日付西日本新聞朝刊に掲載)=
2025/05/24(土)
九州産業大学15号館102教室
2025/05/24(土)
福岡市美術館
2025/04/01(火) 〜 2025/05/25(日)
九州産業⼤学美術館展⽰室 1階、2階
2025/04/12(土) 〜 2025/05/25(日)
出光美術館(門司)
2025/04/15(火) 〜 2025/05/25(日)
下関市立美術館