日程
2022/09/03(土) 〜 2022/10/16(日)
会場 福岡市美術館 |
※ご来場前に、福岡市美術館のホームページで詳細をご確認ください。
京都・栂尾の高山寺に所蔵される国宝「鳥獣戯画」(「鳥獣人物戯画絵巻」)は、日本美術の中でも最も有名であり、また、人びとから愛される作品です。この絵巻の魅力が「愛らしさ」にあることは言うまでもないでしょう。画面の中を所せましと駆け回る動物たちの愛らしい姿に、子どもからお年寄りまで誰もが思わず頬を緩めてしまいます。本展では、この「鳥獣戯画」が持つ愛らしさについて、モチーフと表現の2つの視点から迫ります。
モチーフはもちろん動物です。日本美術の歴史を紐解いてみると愛らしい動物をテーマにした作品が古来、連綿と作り続けられており、日本美術の独自性を決定づける重要な要素となっていることに気づかされます。これは、「草木国土悉皆成仏(あらゆるものには仏性が宿る)」あるいは、「アニミズム」といった日本人が育んできた宗教観に根差したものということもできるでしょう。
それから、「鳥獣戯画」の魅力を支えるもう1つの要素が表現の簡潔さとユーモアです。 墨だけの簡潔な表現は懐かしさにも似た親しみを感じさせ、この絵巻の魅力を支える重要な要素となっています。余計なものをできる限り削ぎ落していく「引き算の美」は、鳥獣戯画のような墨画による絵巻はもちろん、日本美術のあらゆる分野に息づいています。また、本絵巻は「戯画」と呼称されるように擬人化された動物たちの振舞にユーモアを見出すことも古来行われてきました。日本美術におけるユーモアは鳥獣戯画以降、御伽草紙へと継承され、やがて、禅画の世界で花開きます。
本展では、「鳥獣戯画」の魅力を支える、動物モチーフと表現の簡潔さとユーモア、というテーマに沿って、日本美術を紹介します。「愛らしさ」という日本美術の新たな魅力を見出していただく機会となるでしょう。
※ 会場内の密集を避けるため、土日祝日は事前予約制(日時指定券)を導入します。
■チケットはARTNEチケットオンライン(https://artne.jp/tickets)、ローソンチケット(Lコード:83643)で令和4年6月20日(月)10:00から発売。
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