日程
2019/07/13(土) 〜 2019/09/01(日)
会場 九州国立博物館 |
足利尊氏を初代将軍とし、十五代にわたって続いた室町幕府は、おもに京都の室町に営まれた将軍邸や、その主である将軍を「室町殿(むろまちどの)」と称したことからこの名で呼ばれます。京都を拠点とする武家政権として誕生し、はじめの六十年あまりは朝廷が二つに分裂する南北朝時代、後半期は大名たちが覇権を争う戦国時代に重なります。日本史を二分するとも言われる大きな変革期にあって、初代尊氏から十五代義昭(よしあき)までの歴代将軍は、時代の波に翻弄されながらも、およそ240年にわたり命脈を保ちました。
政治的には決して安定した時代ではありませんでしたが、三代義満(よしみつ)や八代義政(よしまさ)をはじめとする将軍たちは、自らのアイデンティティである武家文化を基本としながら、平安時代以来の伝統をもつ公家文化と東アジアとの交流によってもたらされた大陸文化を積極的に受け容れ、独自の価値観と美の世界を築き上げました。時の権力者である将軍たちが牽引したことで、そこで享受されれた芸術文化は多くの人々が追随するものとなり、それは今も日本人の心に適うものとして生き続けています。
本展では、歴代将軍の肖像やゆかりの文化財から、室町時代の栄枯盛衰と個性あふれる将軍たちの魅力に迫り、彼らが愛し、価値づけた名品を通して、室町時代の多彩な芸術文化をご紹介します。また、尊氏が創建し、将軍家菩提所となった京都・等持院(とうじいん)に伝わる歴代足利将軍の彫像十三軀(く)が、寺外で一挙に公開される初めての機会です。
【展覧会のみどころ】
①室町将軍を切り口とする新たな視点
鎌倉や江戸の将軍と異なる、政治・文化にダイレクトに作用したその個性やリーダーシップに注目し、新たな切り口から”室町将軍像”に迫ります。
②一級資料と将軍「御物(ごもつ)」にみる室町文化の粋
第一級の絵画・文献資料や将軍ゆかりの「御物」から、のちの日本文化に大きな影響を与えた室町将軍の文化的営為についてご紹介します。
③室町将軍とのゆかりにこだわり、厳選した計134件(国宝14件、重要文化財71件)を一挙公開
室町幕府・足利将軍十五代のおよそ二四〇年を通観する、これまでにない規模の展覧会です。京都・等持院の足利将軍像13軀が勢ぞろいしての公開は寺外初です。
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